Future Funk
2022年1月、ザ・ウィークエンドがシティポップの曲、亜蘭知子の「Midnight Pretenders(1983)」をサンプリングしたことは大きな話題となりました。それだけでなく、現在、多くの国でシティポップが聴かれており、支持されています。
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更新日:11月23日14時21分
togetter.com
フューチャーファンクは、現在のシティポップブームが始まる大きなきっかけを作ったジャンル
例えば、フューチャーファンクでYouTubeを検索すると、なぜかこのような、日本のレトロなアニメが使われた曲ばかりヒットします。なぜ、こんなことになっているのでしょうか?
フューチャーファンク入門になるように、重要アーティスト、サウンドの特徴、誕生のきっかけや現在の動向、オススメのプレイリストなどもまとめてありますので、ぜひ最後までご覧ください。
現在のフューチャーファンクに明確な音楽的定義はない
ジャンルとして形成された2013~2015年ごろの定義
曲の一部をループさせるやり方ももちろんある
曲全体をそのまま持ってきて、ドラムを足したり、より踊りやすいようなアッパーなサウンドに変えてしまって完成とするケースも多い
フューチャーファンクの第一人者、このジャンルを牽引する重要人物
https://youtu.be/Qm509gYHAe0
フューチャーファンクとして最初に世界的に有名になった動画
この動画がまさにフューチャーファンク、フューチャーファンクを知りたければこの動画を観ろ、というぐらい、重要な作品
曲全体を持ってきて、テンポを上げて、その他にもいろいろいじってダフトパンクのようなサウンドにアレンジ
現在のフューチャーファンク
実はフューチャーファンクは、著作権の問題が常に存在していました。
ここまで語ってきたように、サンプリング文化の音楽だったので
Artzie Musicの動画に使われたアニメはすべて無許可でサンプリングされたものですし、楽曲も同様です。
こうした著作権を無視したコラージュ文化が栄えたのは、当時のネットでは世界中で起こっていた現象で、日本でもニコニコ動画などが良い例だったと思います
著作権がグレーだった世界から、シティポップブームの立役者として認められ、ついにメジャーな世界へと進出したフューチャーファンク
こうした状況に一石を投じたのも、やはりシーンの牽引役であるNight Tempoでした。
合法Future Funk
シティポップ・アーティストたちの楽曲を、公式にリミックスしてリリースするようになった
自分たちがフューチャーファンクでサンプリングしてきた
Wink
小泉今日子
松原みきなど
こうして、2016年から2018年にかけて、Night Tempoは日本のシティ・ポップや歌謡曲を元ネタにしたリミックスをSoundcloudやYouTubeに公開していった。その中には著作権的にはグレーなもの、問題のあるものがほとんどだったが、そんな中、「我々が想像していない形でJ-POPが海外の人の視点で解釈されて世に広まっている。それがすごく面白いと思いました」と、Night Tempoに声をかけたのが、音楽出版社・フジパシフィックミュージックの三浦圭司だった。 「彼の作るリミックスには愛があると思うんです。そして、音楽出版社として、楽曲の再開発をするというミッションもある。だったら彼に80年代の埋もれている自社の管理楽曲を掘り起こしてもらう作業をお願いできるかと思って、管理している楽曲のリストを渡して選んでもらいました。そこからWinkのリミックスを公式にお願いすることになりました」(三浦)
ーグレーな面もあるけれどもそういった要素がクリエイティヴをドライヴさせて、新しいカルチャーを生み出し進化させることもあり得るということですね。
N(筆者注:Night Tempo):そうですね。リエディットの発信がなかったら、今のように世界中の若者がシティ・ポップに親しむようなことはなかったかもしれません。
こうしたNight Tempoがリリースしている公式リミックスは「昭和グルーヴ」と名付けられています
内容的にはシティポップの名曲をダフトパンクの手法でリミックスする、つまりフューチャーファンクなのですが、
曲は完全にシティポップ、アレンジはフューチャーファンク、そして昭和グルーヴでもある、と、ジャンルの垣根がかなり取り払われてきたような印象も受けます。
もはやフューチャーファンクとシティポップが、なんとなくイコールで繋がっているイメージになりつつあります。
Night Tempoはそのまま、今度はリミックスではなく、野宮真貴やBONNIE PINKなどの有名な日本の女性歌手を起用して、すべて新曲を収めたメジャーデビューアルバムをリリース。
有名な日本の歌手の歌は、昔の曲からのサンプリングが基本。
そんなフューチャーファンクの壁を大きく破るような一枚で、もうジャンルで括ることなく、「Night Tempoの音楽」として聴くのが良いかもしれません。
一方で、著作権を無視し続けてきたArtzie Musicチャンネルが休止してしまったことなどもあり、フューチャーファンクシーンは、規模が縮小している傾向にあります。
ーNight Tempoさんにとってフューチャーファンクの魅力とはどのようなところにあるのでしょうか?
N:以前は決められたフォーマットがないことに魅力を感じていました。ですが今は、以前からあるスタイルをコピーするだけの曲が多く、新鮮味がなくなってしまったように感じます。シーン自体も以前と比べると縮小気味で、このシーンで活動していたプロデューサーたちの中にも活動を休止した人が増えています。そういう意味ではシーン自体の権威や求心力はなくなってしまったというのが現状の認識です。
あとは、シーンの主軸を担っていたYouTubeチャンネルの「Artzie Music」も完全に休止しているので、シーンというより各プロデューサーが個人で活動しているような印象でしょうか。
ーそれはかつてのヴェイパーウェイヴに似たような感じなのでしょうか? ヴェイパーウェイヴもブームが落ち着きだしたあと、ハードヴェイパー、ゴーストテックのような派生ジャンルが生まれ、分散していったように思います。その点を踏まえていえば、フューチャーファンクも今後、どんどんまた違う何かに派生していくことも考えらますか?
N:縮小気味とはいえまだある程度のファンを抱えているので、おそらく“フューチャーファンク”というキーワードを使いたい人は多いと思います。でも今後、シーン自体はバラバラになると思うので、その時に自分たちが自らの音楽をどうやって発展させていくかが鍵になると思います。
僕の場合は“昭和グルーヴ”をキーワードにフレンチエレクトロや昭和歌謡をブレンドした音楽を“Night Tempoというジャンル”として扱っていきたいんです。そのためにも”昭和グルーヴ”という要素をもっと前面に押し出して、“昭和”がただの元号ではなく、あらゆる昭和の雰囲気、イメージとして認知されるように自分の音楽性である「昭和グルーヴ」を今よりさらに先に進めていきたいなと思っています。
シーンの規模は縮小しているとは言え、マクロスMACROSS 82-99、Desired、Yung Baeなどの初期アーティストはまだまだ曲をリリースしています。
Yung Bae、またFlamingosisなどはもっとリラックスできるチルホップ系のジャンルに移っていったりもしていますが、
そのサウンドの核には、やはりフューチャーファンク黎明期から活動してきたアーティストとして、ファンキーなシティポップの要素がしっかりと残されています。
最後に、おすすめのプレイリストを紹介します
なんと、Spotify公式、Yung Baeが選曲したフューチャーファンクのプレイリストです!
ヴェイパーウェイヴに近かったり、EDMとフューチャーファンクの中間のような曲もあるので、広い意味でフューチャーファンクを感じる曲が選ばれているのだと思います。私が知らなかったアーティストも多数存在しました。
もちろんNight Tempo、マクロスMACROSS 82-99などの曲も入っていますので、現在のフューチャーファンクの姿を追うには、このプレイリストが最適なのではないかと思います。
おわりに
現代のシティポップブームはまだまだ始まったばかりで、これから市場としてさらなる飛躍を見せていくと思います。
シティポップは、ここ最近で音楽という枠を超えて、昭和レトロをテーマにしたポップカルチャーを総称する言葉になってきました。ファッション、イラスト、音楽、映画、さまざまなもので「シティポップらしさ」を感じるものが、全部シティポップだと扱われているのです。
https://gyazo.com/bdb38da7ce20df43376d54fd6ce54317
Instagramで #citypop と検索すると、さまざまなレトロなイメージが出てくるのが分かる。 フューチャーファンクも、シティポップに直接的に影響を受けてスタートした音楽。もちろん、「シティポップらしさ」が多分に含まれています。
もしかしたら、大きな「シティポップ」というカルチャーの中に飲み込まれてしまい、最終的にフューチャーファンクという名前は使われなくなってしまう可能性もありますが、
それでも、フューチャーファンクは音楽の歴史に重要な役割を果たしたジャンルだったことは間違いないと思います。